先に結論だけ
「山神社」で探して最初に出るのは、宮城県美里町の山神社(やまのかみしゃ)です。「小牛田(こごた)の山の神さま」と呼ばれ、子授け・安産の祈祷と、籾殻を詰めた「おまくら」で知られています。祈祷は予約不要で、個人は5,000円以上です。
同じ「山神社」の名の社は、東北と愛知を中心に各地にあり、祀る神は社ごとに違います。月山神社・筑波山神社・樽前山神社・鍬山神社のような「〇〇山神社」は、山の名を冠した別々の神社です。
月山の御朱印は、山頂の月山神社本宮が開く夏(2026年は7月1日〜9月15日)だけです。信貴山(朝護孫子寺)と定義山(西方寺)は神社ではなく寺で、お守りも寺の授与品です。
当サイト(カンナビ)は2026年11月1日、小牛田の山神社・出羽三山神社・筑波山神社・樽前山神社・鍬山神社の公式サイトと、信貴山朝護孫子寺・定義如来西方寺の公式サイトを読み、祀る神・授与品・初穂料・時期を確かめました。山の神については辞典と國學院大學の古事記神名データベースで確かめています。
この記事でわかること
- 小牛田の山神社: おまくらと安産・子授けの御守、祈祷の初穂料、旧暦の例大祭、行き方を公式の値で1つの表にしました。
- 山の神と「山神社」: 山の神が女神とされる理由と、Wikipediaに並ぶ「山神社」58件を読みと県で数えた結果をまとめました。
- 〇〇山神社: 出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)・筑波山・樽前山・鍬山の神社の祀る神と御朱印を比べ、月山の御朱印を受けられる場所と期間を確かめました。
- 信貴山と定義山のお守り: 寺の授与品として、公式に載っている種類と額を並べました。
御朱印のいただき方や初穂料の考え方は、御朱印とは何かを神社庁と神社の原文で確かめた記事にまとめています。
山神社とは?「山神社」で最初に出るのは宮城県美里町の小牛田の山神社
「山神社」の検索で上位に並ぶのは、宮城県遠田郡美里町の山神社(やまのかみしゃ)の公式・百科事典・観光サイトです。
2026年10月27日に当サイトがGoogleの上位5件を見ると、1位が小牛田の山神社の公式サイト、2位がWikipediaの「山神社 (美里町)」、4位が観光サイトの小牛田の山神社のクチコミでした。残る2件は筑波山神社と出羽三山神社の公式サイトで、こちらは「〇〇山神社」として引かれています。
読み方は「やまのかみしゃ」、地元の呼び名は「小牛田の山の神さま」
小牛田の山神社は、公式サイトの名を「山神社(やまのかみしゃ)」とし、「小牛田のやまの神さま」と添えています。
小牛田(こごた)は美里町にあるJRの駅名です。公式は自らを「子授け・安産守護『小牛田の山の神様』」と書き、所在地は宮城県遠田郡美里町牛飼斉ノ台37、電話は0229-33-2082です(山神社 アクセス)。
「山神社」と「〇〇山神社」は別のもの
「山神社」は山の神を祀る社の名で、「〇〇山神社」は名前に山の名や「山」の字を含む別々の神社です。
Wikipediaの「山神社」の項は、社名の読みとして「さんじんじゃ、やまじんじゃ、やまのかみしゃ、やまがみしゃ」の4つを挙げています。月山神社(山形県)や樽前山神社(北海道苫小牧市)はその山を神の山として祀る神社で、鍬山神社(京都府亀岡市)は社伝で「鍬山」の名の由来を語る神社です。どれも小牛田の山神社とは系統も祀る神も違います。
小牛田の山神社|子授け・安産の「小牛田の山の神様」
小牛田の山神社は、木花之佐久夜毘売命(このはなさくやびめのみこと)を安産・子授けの神様として仰ぐ神社です。
公式は、おまくらのページで木花之佐久夜毘売命を「安産・子授けの神様」と書き、神話のページで「良縁・子授け・安産の神さま」と紹介しています。Wikipediaの「山神社 (美里町)」は主祭神を木花佐久夜比賣命としています(山神社 安産・子授け・おまくら)。
合祀の3柱と、鉱山・山林・温泉の守り神としての顔
公式が挙げる合祀神は、大山咋神・天照大御神・誉田別命(応神天皇)の3柱です。
公式の「御祭神について」は、合祀神を大山咋神(日枝神社・産業の神)・天照大御神(神明社)・誉田別命(八幡神社)と書き、御神徳に「鉱山業・山林業・製炭業・温泉業」と「縁結び・子授け・安産・子育て」を並べています(山神社 御祭神について)。大山咋神を主祭神とする神社には、京都の松尾大社があります。
1141年の勧請から1917年の遷座まで
公式の年表では、永治元年(1141)の勧請に始まり、大正6年(1917)に今の場所へ移りました。
公式の「御由緒簡易年表」は、摂津国の住人で今の宮司家の祖先にあたる小山田清寧が永治元年に山の神を勧請し、元亀2年(1571)に子孫が御神体を奉じて小牛田村に住み、天正3年(1575)に祠を建てたと書きます。寛文2年(1662)に社殿を造営し、明治41年(1908)の火災で全焼したのち、大正6年12月26日に今の斉ノ台へ遷座しました。平成23年(2011)の東日本大震災で大鳥居が壊れ、平成24年10月12日に建て直しています(山神社 歴史)。
鉄道唱歌と仙台節に歌われた「小牛田の山の神」
明治33年の鉄道唱歌は「次は小牛田の山の神」と歌い、宮城の民謡の仙台節も小牛田の山の神を歌い込んでいます。
公式はこの2つを出典つきで載せ、山神社は江戸時代から「仙台藩領内外、宮城県はもとより東北一円、北海道の各地に祠(ほこら)、石碑」があると書いています。仙台節の一節は「北に小牛田の山の神」です(山神社 おまくらのページ)。公式の年表には、山林業・鉱山・温泉業の男性を中心とした「山神代参講」と、安産・子授け・子育てを願う女性の「山神代参婦人講」の2つの講の歩みも書かれています。
おまくら(神枕)と安産・子授けの御守
おまくらは籾殻を詰めた小さな枕の形の御守で、祈祷を受けた人と御守を受けた人に授けられます。
公式は「子授けは子供が授かるように、安産はお産が軽くなるように」おまくらを渡すと書いています。安産・子授けの祈願は、ほかの神社の例や初穂料の相場とあわせて安産祈願はいつ・いくらかを14の寺社で比べた記事で、戌の日の日付は戌の日の記事で確かめられます。安産の神社を地域から探すなら安産の神社一覧も使えます。
籾殻を詰めた赤・白・青・黄の4色
おまくらの色は赤・白・青・黄の4色で、北の玄武を表す黒い色のおまくらはありません。
公式は、色は四神の赤(南の朱雀)・白(西の白虎)・青(東の青竜)・黄(中央の北辰)に守っていただく意味だと書きます。中身の籾殻は稲魂(いなだま)の力を借りるためのもので、「母子健全、夫婦健全に恵まれるように祈りを込め」ているといいます。
安産の御守は2,000円で9種、子授けの御守は2,000円で4種
公式に載る初穂料は、安産の御守(9種)も子授けの御守(4種)も2,000円です。
安産の御守には9種が入り、9番目がおまくらです。公式は「近年、病院でお産なさるので5・6を使用しない方がいます」と書き、その場合は2・3と一緒に袋へ入れて身につけるよう勧めています。子授けの御守は4種で、3番目がおまくらです。
願いがかなったら倍にして返す
公式は、祈願がかなったら倍返しをする風習があり、山神社がその発祥の地だと書いています。
公式のおまくらのページには「祈願成就の際には倍返しの風習」「倍返しの発祥の地」とあります。何をどう倍にして返すかの手順は、公式サイトには書かれていないので、授与のときに社務所で確かめてください。宮城県仙台市の定義如来西方寺も、借りた安産枕を「一個作り、二個にして返します」と案内しており、同じ形の風習があります(定義如来西方寺 子宝祈願・安産祈願)。
| 授与品・祈祷 | 初穂料(公式) | 中身・決まり |
|---|---|---|
| 個人の祈祷 | 5,000円以上 | 予約不要・9:00〜12:00と13:00〜16:00・約30分ごと・年中無休 |
| 団体の祈祷 | 1,500円以上 | 10人以上 |
| 安産御守札料 | 5,000円 | お札・お守り・神枕・神前箸 |
| 安産御守札料 | 7,000円 | 上に加えて、御神入れした腹帯(サラシ)1つ |
| 安産御守札料 | 10,000円 | お札・お守り・神枕・神前箸・お神酒・腹帯2つ |
| 安産の御守 | 2,000円 | 9種(9番目がおまくら) |
| 子授けの御守 | 2,000円 | 4種(3番目がおまくら・祈祷しない人には御神箸なし) |
| 郵送の祈祷 | 公式に額の記載なし | 遠方・事情で参拝できない人に可能 |
表の値は山神社 御祈祷とおまくらのページの2026年11月1日の記載です。団体の祈祷の額が1人あたりかどうかは、公式の書き方からは断定できないので、申し込む前に電話で確かめてください。
小牛田の山神社の祈祷・行事・行き方
祈祷は予約なしで受けられ、受付は午前が9時から12時、午後が13時から16時までです。
祈祷の願意は、厄年祓・良縁・子授け・安産・出産御礼(お宮参り)・自動車修祓・商売繁昌・家内安全・学業成就・交通安全などです。公式の「人生儀礼」は、安産祈願をした人が無事に出産したあと、生後30日から100日前後にお参りする初宮詣を案内しています。お宮参りの日取りはお宮参りの記事、厄年の数え方は厄年の記事にまとめています。
春と秋の例大祭は旧暦の11日・12日
春季例大祭は旧暦3月11日・12日、秋季例大祭は旧暦10月11日・12日で、新暦の日付は年ごとに変わります。
| 行事 | 日付(公式) |
|---|---|
| 歳旦祭 | 1月1日 |
| どんと祭 | 1月14日 |
| 祈年祭 | 2月17日 |
| 春季例大祭 | 旧暦3月11日・12日 |
| あじさい祭り | 6月〜7月 |
| 秋季例大祭 | 旧暦10月11日・12日 |
| 七五三祝 | 11月15日 |
| 新嘗祭 | 11月23日 |
表は山神社 年中行事の記載です。公式は例大祭を旧暦で書くだけで、その年の新暦の日付は載せていません。七五三の祝いの日取りや数え方は七五三の記事で確かめられます。
JR小牛田駅からタクシーで3分
公式の案内では、JR小牛田駅からタクシーで3分、車なら東北道の古川ICから30分です。
小牛田駅からはバスで「山の神社」下車の道もあります。駐車場は公式の境内案内に「駐車場周辺」の写真がありますが、台数や料金の記載はありません。
御朱印は公式に初穂料の記載がない
公式のお知らせには「令和6年6月21日 御朱印帳の頒布はじめました」とありますが、御朱印の初穂料や受付時間は書かれていません。
公式サイトに載っているのは御朱印と御朱印帳の写真と頒布開始の告知までで、額と時間は確かめられませんでした。御朱印を受けたい人は、祈祷の受付時間内に社務所で尋ねるか、電話(0229-33-2082)で確かめてください。御朱印帳の大きさの選び方は御朱印帳の選び方の記事にあります。
山の神はどんな神か|大山津見神と木花之佐久夜毘売
古事記で山の神の代表は大山津見神(おおやまつみのかみ)で、その娘が木花之佐久夜毘売です。
國學院大學の古事記神名データベースは、大山津見神を「山を掌る支配者のような性格」の神とし、子に石長比売・木花之佐久夜毘売などを挙げています(古事記神名データベース 大山津見神)。民間で祀られてきた「山の神」は、この記紀の神と重なりながらも、土地ごとに姿の違う神として伝えられてきました。
山の神は女神という言い伝えが多い
デジタル大辞泉と日本大百科全書は、山の神を女神として信仰する土地が多いと書いています。
| 資料 | 山の神について書いていること |
|---|---|
| デジタル大辞泉 | 山を守り支配する神。「多く、女性神として信仰され」、農民・狩猟民・鉱業者などに祭られる |
| 日本大百科全書(ニッポニカ) | 多くの土地では女神だという。男神・夫婦神の所もある。祭りは7日・9日・12日などで、東北地方では多く12日、山の神を「十二様」と呼ぶ |
| 世界大百科事典 | 春に山の神が田に降りて田の神となり、秋に山へ帰る「去来信仰」が、東日本にかたよりながらほぼ全国にある |
| 古事記神名データベース | 大山津見神は山を掌る支配者。娘の木花之佐久夜毘売は邇々芸命の妻 |
辞典の記述はコトバンク「山の神」で読めます。東北で山の神の祭りの日を12日とする土地が多いことは、小牛田の山神社が例大祭を旧暦の11日・12日に置くこととも重なります。
春に田の神になり、秋に山へ帰る
稲作をする土地では、山の神は春に里へ降りて田の神となり、秋の収穫のあとに山へ帰ると伝えられてきました。
世界大百科事典はこれを「去来信仰」と呼び、山で働く人々の山の神は田の神にならないとも書いています。小牛田の山神社も、御神徳に鉱山業・山林業・製炭業・温泉業を挙げる一方で、おまくらの中身を稲の籾殻にしています。
火の中で3柱を産んだ木花之佐久夜毘売が安産の神になった
木花之佐久夜毘売が安産の神とされるのは、火を放った産屋の中で無事に3柱を産んだという古事記の話によります。
古事記神名データベースによると、一夜で身ごもった木花之佐久夜毘売は、邇々芸命に疑われ、戸口のない八尋殿に入って土で塞ぎ、火をつけて火照命・火須勢理命・火遠理命を産みました(古事記神名データベース 木花之佐久夜毘売)。世界大百科事典は、この神が安産の神として信仰されたのは「上述の説話に由来している」と書いています。木花之佐久夜毘売を祀る代表的な神社は、富士山の富士山本宮浅間大社です。
「山神社」という名の社はどれくらいあるか
全国の「山神社」の数を示す公的な集計は見つからず、Wikipediaの「山神社」の項に並ぶのは58件です。
当サイトは神社本庁・宗教年鑑・論文の検索も試しましたが、社名ごとの数は出ていませんでした。以下は2026年11月1日にWikipediaの「山神社」の項の列挙を当サイトが数えたもので、実際の社の数ではありません。新庄市内に4社・金山町内に12社と注記された項もあり、列挙の58件は社の数そのものではありません。
Wikipediaの列挙58件を読みで分けると「やまじんじゃ」が28件
| 社名の読み(見出し) | 列挙の項目数 |
|---|---|
| さんじんじゃ | 20 |
| やまじんじゃ | 28 |
| やまのかみしゃ | 9 |
| やまがみしゃ | 1 |
| 合計 | 58 |
小牛田の山神社は「やまのかみしゃ」の9件に入っています(Wikipedia「山神社」)。
県で分けると山形18件・愛知12件・宮城11件
県で分けると山形県が18件で最も多く、愛知県の12件、宮城県の11件が続きます。
| 都道府県 | 列挙の項目数 |
|---|---|
| 山形県 | 18 |
| 愛知県 | 12 |
| 宮城県 | 11 |
| 静岡県・愛媛県・千葉県・山梨県 | 各2 |
| 岩手県・秋田県・栃木県・東京都・兵庫県・和歌山県・徳島県・長崎県・大分県 | 各1 |
宮城県の11件の内訳は、栗原市6・石巻市2・柴田町1・亘理町1・美里町1です。宮城県の件数が多いことは、公式が書く「東北一円、北海道の各地に祠、石碑」とも食い違いません。
祀る神は社ごとに違い、大山祇神社は大山積神を祭る神社の総本社
「山神社」の祭神は一つではなく、大山祇神・木花開耶姫・金山彦命など社ごとに違います。
コトバンクに載る『日本歴史地名大系』の「山神社」の8項目を当サイトが読むと、大山祇神が3社、鉱山の守り神の金山彦命系が2社、木花開耶姫が1社(小牛田)でした(コトバンク「山神社」)。古事記神名データベースは、愛媛県今治市大三島の大山祇神社を「全国の大山積神を祭る神社の総本社」と書きます。ただしこれは大山積神(大山祇神)を祭る神社の総本社という意味で、「山神社」という名の社すべての本社という意味ではありません。
埼玉県長瀞町の寳登山神社も、山の神の大山祇神を神武天皇・火産霊神とともに祀り、公式は大山祇神が神犬の大口真神を御眷属として遣わすと説明しています。山火事から日本武尊を救った山犬の伝説と、お犬様の御眷属拝借は寳登山神社(長瀞)の御祭神とお守りの記事にまとめました。
名前に「山」が入る主な神社の一覧|御祭神・御朱印・時期
「〇〇山神社」として名前が挙がる主な社は、社ごとに祀る神も御朱印を受けられる時期も違います。
下の表は、検索の上位とサブの語に出た社を、各社寺の公式で2026年11月1日に確かめたものです。公式に書いていないものは「公式に記載なし」としました。修験の山の神社としては、福岡の英彦山神宮も当サイトにページがあります。
| 社寺(場所) | 祀る神(公式) | 御朱印(公式) | 時期・時間の決まり |
|---|---|---|---|
| 小牛田の山神社(宮城県美里町) | 木花之佐久夜毘売命(安産・子授けの神様)・合祀3柱 | 御朱印帳の頒布あり・初穂料は公式に記載なし | 祈祷 9:00〜12:00・13:00〜16:00 |
| 出羽三山神社 三神合祭殿(山形県鶴岡市・羽黒山頂) | 月読命・伊氐波神・稲倉魂命・大山祇命・大己貴命・少彦名命 | 羽黒山頂の授与所・朱印所 | 年中参拝可・授与所 8:30〜16:30頃 |
| 月山神社本宮(月山山頂) | 月読命 | 月山本宮・中の宮の授与所(開山中) | 2026年は7月1日〜9月15日・祓料500円 |
| 湯殿山神社本宮(湯殿山) | 大山祇命・大己貴命・少彦名命 | 湯殿山本宮の授与所(開山中) | 2026年は6月1日〜11月3日午前・祓料500円 |
| 筑波山神社(茨城県つくば市) | 筑波男大神(伊弉諾尊)・筑波女大神(伊弉冊尊) | 4種の見出し・初穂料は公式に記載なし | 祈祷 平日9:30〜16:00 |
| 樽前山神社(北海道苫小牧市) | 大山津見神・久々能智神・鹿屋野比売神 | 公式トップに記載なし | 例大祭 7月14日〜16日 |
| 鍬山神社(京都府亀岡市) | 大己貴神(鍬山宮)・誉田別尊(八幡宮) | 授与品の一覧に記載なし | 11月は紅葉の拝観・撮影者の撮影お断り |
月山神社本宮と湯殿山神社本宮の値は、出羽三山神社の公式「御参拝の皆様へ」の令和8年の記載です。寺の信貴山と定義山は、この表に入れず下の「信貴山と定義山のお守りは寺の授与品」の節で扱います。
月山神社と出羽三山|羽黒山・月山・湯殿山
出羽三山は山形県の羽黒山・月山・湯殿山の総称で、3つの山にそれぞれの神社があります。
出羽三山神社の公式は、月山神社が天照大神の弟神の月読命を、出羽神社(羽黒山)が出羽国の国魂の伊氐波神と稲倉魂命を、湯殿山神社が大山祇命・大己貴命・少彦名命を祀ると書いています(出羽三山神社 御由緒)。月読命を祀る神社には、京都の月読神社もあります。
羽黒山・月山・湯殿山の3社の祀る神と山の決まり
参拝できる時期は、羽黒山が年中、月山が7月から9月、湯殿山が6月から11月初めまでです。
| 山と神社 | 祀る神 | 参拝できる時期(令和8年・公式) | 祓料 |
|---|---|---|---|
| 羽黒山 出羽神社(三神合祭殿) | 伊氐波神・稲倉魂命(三山の神を合祭) | 年中(冬は石段が除雪されず、車道で山頂へ) | 公式に記載なし |
| 月山 月山神社本宮 | 月読命 | 7月1日〜9月15日 | 500円 |
| 湯殿山 湯殿山神社本宮 | 大山祇命・大己貴命・少彦名命 | 6月1日〜11月3日午前(11月3日は13時に閉鎖) | 500円 |
表は出羽三山神社 御参拝の皆様への記載です。公式は、月山神社本宮では参拝の際に御祓を受け、湯殿山神社本宮では履き物を脱いで裸足になり、御祓いを受けてから参ると案内しています。月山の標高は1,984mで、頂上の本宮は特別な神域とされています。
「三関三度」|現世・死後・生まれ変わりをたどる山
公式は出羽三山を、現世利益・死後の体験・生まれ変わりをたどる「三関三度の霊山」と書いています。
公式の御由緒は、羽黒山で現世利益を、月山で死後の体験をし、湯殿山で新しい生命をいただいて生まれ変わると説明します。公式の湯殿山のページは、羽黒山を観音菩薩(現在)、月山を阿弥陀如来(過去)、葉山や薬師岳を薬師如来(未来)とする「三関三渡」の修行も説明しています。英語の公式サイトは湯殿山を「rebirth and the future」と書いていますが、日本語の公式で未来に当てているのは葉山・薬師岳です。
三神合祭殿は羽黒山頂にあり、冬も参れる
月山と湯殿山は冬に参拝できないため、羽黒山頂の三神合祭殿に三山の神を合わせて祀っています。
公式によると、三神合祭殿は文政元年(1818)の完成で、高さ28m、屋根の萱の厚さは2.1m、平成12年に国の重要文化財に指定されました。内陣は3つの扉に分かれ、正面中央に月読命、右に伊氐波神(稲倉魂命)、左に大山祇命・大己貴命・少彦名命を祀ります(出羽三山神社 三神合祭殿)。
羽黒山の石段は2,446段、国宝の五重塔は随神門から約10分
出羽三山の英語の公式サイトは、羽黒山の石段を2,446段・全長1.7kmと書いています。
日本語の公式は、随神門から山頂まで石段で片道約90分、国宝の五重塔は随神門から片道約10分と案内しています。鶴岡駅から羽黒山頂へは庄内交通のバス「羽黒山頂行き」で50分、月山へは「月山8合目行き」で約1時間30分です(出羽三山神社 交通アクセス)。
月山・出羽三山の御朱印|受けられる場所と期間
月山の御朱印は、山頂の月山神社本宮と中の宮の授与所で、月山が開いている夏のあいだだけ受けられます。
出羽三山神社が2024年に出した御朱印の告知は、月山版を「月山本宮・中の宮授与所」、湯殿山版を「湯殿山本宮授与所」とし、どちらも「各山開山中のみ」と書いていました。羽黒山の三神合祭殿の御朱印は、山頂の参集殿の授与所で年中受けられます。
羽黒山頂の授与所は8:30〜16:30頃、11月からの随神門は土日祝だけ
羽黒山頂の授与所は年中8:30〜16:30頃に開き、随神門授与所は11月から土日祝だけ開きます。
| 授与所 | 受付時間(公式) | 開いている時期 |
|---|---|---|
| 羽黒山頂 参集殿の授与所・朱印所 | 8:30〜16:30頃(御祈祷は15:45頃まで) | 年中 |
| 羽黒山麓 随神門授与所 | 9:00〜16:30頃 | 11月以降は土日祝のみ(2026年11月は1・3・7・8・14・15・21・22・23日) |
| 月山本宮・中の宮の授与所 | 公式に時間の記載なし | 月山の開山中(2026年は7月1日〜9月15日) |
| 湯殿山本宮の授与所 | 公式に時間の記載なし | 湯殿山の開山中(2026年は6月1日〜11月3日午前) |
随神門授与所が閉まる日は、隣の社務所で「羽黒山五重塔」「天地金神社」の2種類を書き置きで頒布すると、出羽三山神社は2026年10月17日のお知らせで案内しています。
初穂料は500円、御朱印は郵送しない
出羽三山神社は2021年4月1日から御朱印の初穂料を300円から500円に改めると告知しました。
この告知は羽黒町観光協会のサイトに転載されており、出羽三山神社の公式サイトでは2026年11月1日時点で通常の御朱印の額を書いたページを見つけられませんでした(羽黒町観光協会 出羽三山神社からのお知らせ)。公式のよくある質問は「御朱印はお参りのおしるしとして頒布しておりますので、郵送対応が出来ません」としています。
2026年は午歳御縁年で、切絵の御朱印がある
出羽三山は午歳を御縁年とし、2026年は羽黒山頂の授与所で「午歳御縁年切絵御朱印」を頒布しています。
公式のお知らせによると、5月1日から9月5日までの期間の御朱印は終わり、午歳御縁年切絵御朱印と通常の御朱印は引き続き頒布しています。切絵の御朱印は10月11日に一度品切れになり、10月16日に頒布を再開しました。羽黒山・月山・湯殿山の3つの御朱印を羽黒山でまとめて受けられるかは、公式に記載がなかったので、受けたい人は授与所で尋ねてください。全国の御朱印が人気の神社は御朱印が人気の神社20社の記事、人気の御朱印帳は人気の御朱印帳・御朱印の記事で比べています。
筑波山神社|男体山と女体山に祀る夫婦の二柱
筑波山神社は、男体山(871m)に筑波男大神(伊弉諾尊)、女体山(877m)に筑波女大神(伊弉冊尊)を祀ります。
公式は、二神が結婚して国産みをしたことから「縁結び、夫婦和合、家内安全、子授け、子育て等のご神徳」があると書き、筑波山そのものを御神体として拝します(筑波山神社 由緒)。山頂の男体山と女体山にそれぞれ御本殿があります。夫婦の神に縁結びを願う神社は、縁結び神社36か所の記事でも比べています。
御朱印は4種の見出し、縁結守や子授守もある
公式の授与品のページには、「筑波山神社」「常陸七福神」「山頂御本殿」「境内社」の4つの御朱印の見出しがあります。
御朱印の初穂料と受付の場所は、公式の授与品のページに書かれていませんでした。お守りは縁結守・安産守・子授守・勝守・金運鈴守などが並び、縁結守は「夫婦の神様である筑波男神(イザナギノミコト)と筑波女神(イザナミノミコト)のご神徳」をいただくお守りと説明されています(筑波山神社 授与品)。祈祷料は3,000円・5,000円・10,000円・20,000円以上です。
樽前山神社と鍬山神社
樽前山神社は北海道苫小牧市で山・木・草の神を祀る社、鍬山神社は京都府亀岡市で開拓の神を祀る社です。
2社とも公式サイトがあり、祀る神と由緒を公式で確かめました。御朱印は、2社とも公式サイトで確かめられませんでした。
樽前山神社|山・木・草の3柱を祀る苫小牧の総鎮守
樽前山神社は、明治8年に明治天皇の勅命で大山津見神・久々能智神・鹿屋野比売神の3柱が定められた神社です。
公式は、3柱をそれぞれ山霊(山を司る神)・木霊(木々を司る神)・草霊と書き、山麓から町の中心地へ移して総鎮守郷社としてまつったと記しています。今の高丘には平成4年7月14日に遷座し、公式には奥宮・末社のページもあります。例大祭は7月14日の宵宮祭、15日の本祭、16日の後日祭です(樽前山神社)。北海道新聞は2025年の例大祭を、3日間で延べ約10万人(実行委員会の発表)が訪れたと報じました(北海道新聞)。
鍬山神社|鍬が山のように積み上がった亀岡の開拓の社
鍬山神社の名は、出雲の神々が鍬で保津峡を開き、使った鍬が山のように積み上がったという社伝から来ています。
公式の由緒によると、和銅2年(709)の創祀と伝え、『延喜式』の神名帳に載る丹波国桑田郡の一社です。社伝は、湖だった亀岡盆地を出雲の神々が樫舟に乗って鍬や鋤で切り開き、水を山城国へ流して耕地を造ったと伝え、そのとき「使った鍬が山のようにうず高く積みあがった」ことから鍬山と呼ばれたとも書いています(鍬山神社 由緒)。祀る神は鍬山宮の大己貴神(大国主神)と八幡宮の誉田別尊(応神天皇)の2柱です。
「矢田の紅葉」で知られ、公式の年中行事には11月7日頃の紅葉祭りと「境内約一千本のもみじ」が載っています。11月は紅葉の拝観のため、カメラマンによる撮影を断ると公式が告知しています。行き方は、JR嵯峨野線の亀岡駅からコミュニティバスで「鍬山神社前」下車すぐです(鍬山神社 アクセス)。公式の「各種御守」の一覧に御朱印の項目はありません。
信貴山と定義山のお守りは寺の授与品
信貴山の朝護孫子寺も定義山の西方寺も、神社ではなく寺で、お守りは寺が授ける品です。
どちらも名前に「山」が付きますが、寺なので、ここで神社と分けて扱います。寺と神社の祀るもの・参り方・御朱印の違いは、お寺と神社の違いの記事にまとめています。
信貴山 朝護孫子寺|寅のお寺の張り子の寅と毘沙門天のお守り
信貴山朝護孫子寺は毘沙門天王を本尊とする奈良県平群町の寺で、自らを「寅のお寺 信貴山」と呼んでいます。
| 授与品(信貴山 朝護孫子寺) | 額(公式) |
|---|---|
| 大寅・中寅・小寅(張り子の寅) | 7,000円・5,000円・3,000円 |
| 毘沙門天王カード御守 | 1,300円 |
| 十二支守護本尊 八体仏御守り(戒壇巡り入口) | 1,000円 |
| 干支お守り(戒壇巡り入口) | 各500円 |
| その他の各種御守 | 300円〜 |
| 御朱印(本堂・聖徳太子・大和七福神ほか) | 各300円 |
| 御札のみ | 3,000円・2,000円(本堂のみ) |
表は信貴山朝護孫子寺 ご本尊 毘沙門天王とご祈祷の記載です。公式は、お守りはいずれも御祈祷済みで、販売は午前9時頃から午後5時までと書いています。JR・近鉄の王寺駅北口からタクシーで約13分です。
定義山 西方寺|定義如来と、借りて返す安産枕・子授け人形
定義山は仙台市青葉区大倉の定義如来西方寺の通称で、平家ゆかりの阿弥陀如来「定義如来」を祀る寺です。
| 授与・祈祷(定義如来西方寺) | 額・決まり(公式) |
|---|---|
| 子宝祈願のご祈祷 | 3,000円からお気持ち・夫婦連名・予約不要 |
| 安産祈願のご祈祷 | 2,000円からお気持ち・予約不要 |
| 安産腹帯 | 1,500円 |
| 子授け人形・安産枕 | 自由に借りられる。お礼参りで1つ足して2つにして返す |
| 一般のご祈祷(木札・身代わり守りつき) | 3,000円〜 |
| お守り | 御守り授け所で授与。種類と額は公式に記載なし |
表は定義如来西方寺 子宝祈願・安産祈願と祈る(ご祈祷のご案内)の記載です。公式のお知らせには、2026年10月25日に「秋限定お守り袋」、10月31日からの「いいご縁週間」と「安徳天皇 記念朱印」が載っています。仙台駅西口バスプール14番から定義行きのバスで約80分、境内の駐車場は300台で無料です(定義如来西方寺 交通アクセス)。
よくある質問
Q. 小牛田の山神社の安産祈願は戌の日でないと受けられない?
A. 公式は祈祷を年中無休・予約不要で受け付けており、戌の日に限るとは書いていません。公式の御祈祷のページには令和8年の戌の日の一覧が載っていて、2026年11月は8日(日)・20日(金)、12月は2日(水)・14日(月)・26日(土)です。
Q. 小牛田の山神社のおまくらは、祈祷を受けないともらえない?
A. 公式は、子授け・安産の祈祷を受けた人に神枕(おまくら)を渡すと書き、祈祷を受けない人向けにも安産の御守(2,000円・9種)と子授けの御守(2,000円・4種)の中におまくらを入れています。祈祷を受けない場合、子授けの御守には御神箸が入りません。
Q. 自分で用意した腹帯を持っていってもよい?
A. 公式は「ご自身で既にお持ちの方は当日持参ください」と書いています。安産御守札料が7,000円以上の場合は、神社が御神入れした腹帯(サラシ)が付きます。
Q. 月山の御朱印は冬でも受けられる?
A. 月山神社本宮の御朱印は、月山が開いている時期(2026年は7月1日〜9月15日)だけです。冬に出羽三山の御朱印を受けるなら、年中開いている羽黒山頂の三神合祭殿の授与所(8:30〜16:30頃)へ行きます。羽黒山の石段は冬は除雪されないので、車道で山頂へ向かいます。
Q. 出羽三山神社にも安産や子授けのお守りはある?
A. あります。出羽三山神社の公式の授与品のページには、湯殿山の御神湯で染めた安産守(1,200円)、子授け守(1,500円)、縁結守(1,000円)が載っています。お守りは現金書留で郵送してもらえますが、御朱印は郵送しません(出羽三山神社 授与品)。
Q. 定義山の安産枕や子授け人形はどこで、どう借りる?
A. 定義如来西方寺の公式によると、子授け人形と安産枕は大本堂の左奥にあります。前に立って合掌し、後ろを向いて利き手と反対の手で最初に触れたものを借ります。お礼参りでは人形を1体求めて2体に、安産枕は1個作って2個にして返します。
まとめと参考にした一次情報
「山神社」で探す人がまず知りたいのは小牛田の山神社で、ほかの「山神社」「〇〇山神社」は山ごとに別の社です。
小牛田の山神社は、木花之佐久夜毘売命を安産・子授けの神様と仰ぎ、籾殻のおまくらと倍返しの風習を伝えています。祈祷は予約不要で、個人5,000円以上、安産御守札料は5,000円・7,000円・10,000円です。山の神は辞典で女神とされることが多く、東北では12日を祭りの日とする土地が多いとされます。出羽三山の御朱印は、月山と湯殿山は山が開いている時期だけ、羽黒山頂は年中です。信貴山と定義山は寺なので、お守りも寺の授与品として受けてください。
- 山神社(やまのかみしゃ)公式:御祭神・歴史・おまくら・年中行事・御祈祷・アクセス
- 出羽三山神社 公式:御由緒・三神合祭殿・御参拝の皆様へ・授与品・交通アクセス
- 筑波山神社 公式:由緒・授与品・ご祈祷
- 樽前山神社 公式:御祭神・由緒・例大祭
- 鍬山神社 公式:由緒・年中行事・各種御守・アクセス
- 信貴山朝護孫子寺 公式:ご本尊・ご祈祷・交通案内
- 定義如来西方寺 公式:子宝祈願・安産祈願・ご祈祷・交通アクセス
- 國學院大學 古事記神名データベース:大山津見神・木花之佐久夜毘売
- コトバンク「山の神」:デジタル大辞泉・日本大百科全書・世界大百科事典
