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お寺と神社の違い|祀るもの・見分け方・参拝作法と御朱印を、神社本庁と各宗派・社寺の公式で比べた

お寺と神社の違い|祀るもの・見分け方・参拝作法と御朱印を、神社本庁と各宗派・社寺の公式で比べた

先に結論だけ

神社は神道の神を祀る所、お寺は仏像を安置して僧が修行する所です。見分けるときは、入口が鳥居か山門か、名前が「神社・宮・大社」か「寺・院」か、地図記号が鳥居か卍かを見ます。

お参りは、神社が二拝二拍手一拝、お寺は合掌して一礼です。神社本庁は「再拝・二拍手・一拝」を基本形とし、確かめた寺の公式の手順は合掌と一礼だけで、拍手は出てきませんでした。

御朱印は、神社もお寺も写経を納めた受取が起源です。神社は社名と社印、お寺は本尊や堂の名を墨で書くのが中心です。1冊にまとめてはいけない決まりはありませんが、日蓮宗の妙光寺・本門寺は御首題帳を分けるよう勧めています。

当サイト(カンナビ)は2026年10月24日、「お寺と神社の違い」「寺 神社 御朱印」など6語の検索上位を開いて上位の記事10本を読み、上位は一般・旅行メディアの比較記事で、神社本庁や宗派の公式、辞書は上位に無いことを確かめました。読んだ10本に、地図記号、神社と寺院の数を一次の統計で並べた記事、御朱印の中身の違いを書いた記事はありませんでした。そこで同じ日に、神社本庁と6つの神社庁、浄土宗・浄土真宗・天台宗などの宗派、西国三十三所・四国八十八ヶ所の霊場会、神社10社と寺11寺の公式、辞書と文化庁『宗教年鑑』、国土地理院の説明を開き、書いてあることだけを並べました。金額と時間は変わることがあります。

この記事でわかること

  • 違いと見分け方: 祀るもの・入口・名前・地図記号・仕える人を1つの表にしました。
  • 数: 神社80,570・寺院76,390という宗教年鑑の数と、よく見る「神道系84,014」との違いを書きました。
  • 参拝作法: 神社本庁と寺の公式の手順を並べ、「お寺では拍手しない」の根拠がどこまであるかを確かめました。
  • 御朱印: 神社とお寺の御朱印の中身・値段・値上げの時期と、1冊にまとめてよいかを公式の文で並べました。

御朱印そのもののいただき方は御朱印とは(いただき方・初穂料・受付時間)、神社のお参りの手順は神社のお参りの仕方で詳しく確かめられます。

目次

お寺と神社の違い|神社は神を、お寺は仏を祀る

神社は神道の神を祀る所で、お寺は仏像を安置し、僧がそこに住んで修行や儀式を行う所です。

デジタル大辞泉は神社を「神道の神を祭り、祭祀や参拝のための施設のある所」と説明し、日本大百科全書は寺院を「仏像を安置し、僧尼がそこに住んで、礼拝・修行・儀式などを行う建物」と書いています(コトバンク「神社」・「寺院」)。違いを項目ごとに並べると次のとおりです。

項目神社お寺出典
祀るもの神道の神(八百万の神々)仏(本尊の仏像)神社本庁・日本大百科全書
入口鳥居山門(三門)デジタル大辞泉
名前の例〇〇神社・〇〇宮・〇〇大社〇〇寺・〇〇院各社寺の名
仕える人神職僧侶神社本庁・日本大百科全書
教え統一された教義・経典は無い仏陀の教え、経典がある神社本庁(英語版)・全日本仏教会
お参り再拝・二拍手・一拝合掌して一礼神社本庁・成田山・西本願寺
地図記号鳥居の形卍の形国土地理院
数80,57076,390宗教年鑑 令和7年版
神社とお寺の見る所5つ 神社 入口  鳥居 祀る  神道の神 お参り 二拝二拍手一拝 御朱印 社名と社印 地図記号 鳥居の形 お寺 入口  山門(三門) 祀る  仏(本尊) お参り 合掌して一礼 御朱印 本尊名と宝印 地図記号 卍の形 鳥居のあるお寺もある(神仏習合の名残)
辞書・神社本庁・寺の公式・国土地理院の説明をもとに当サイト作成

神社は八百万の神を祀る所

神社本庁は、神社を「八百万といわれるほど多くの神々をお祀りする神聖な場所」と説明しています。

祀られる神は、海や山・風などの自然の神、衣食住や生業の神、国土開拓の神に加え、国や郷土に尽くした人や祖先の御霊までさまざまです(神社本庁「神道のいざない」)。神社本庁は、祭りの場に建物が建てられて神社が生まれたと書き、「神道」という呼び名は6世紀に仏教が伝わったとき、仏教と区別するために使われるようになったとしています。東京都神社庁は、その文献上の初出を『日本書紀』用明天皇の条の「天皇信仏法尊神道」と挙げています(東京都神社庁「神道という言葉」)。神社ごとの祭神は神社を探すページで確かめられます。

お寺は仏像を安置し、僧が修行する所

お寺は仏教の宗教活動の中心となる建物と境内で、本尊の仏像を安置し、僧が住んで儀式を行います。

世界大百科事典は寺院を「仏教の宗教活動の中心となる建物およびその所在する領域(境内)」と書いています。全日本仏教会は仏教を「2500年ほど前に、仏陀を開祖として説かれた教え」と説明します(全日本仏教会「仏教とは」)。「てら」という呼び名は、梵語で長老を意味する「テーラ」がなまったものとする説を百科事典マイペディアが載せています。

神社とお寺の見分け方|入口・名前・地図記号を見る

入口に鳥居があれば神社、山門があればお寺が基本です。名前と地図記号でも見分けられます。

3つの見る所と、当てはまらない例をまとめました。

見る所神社お寺当てはまらない例
入口の門鳥居(神域を象徴する門)山門・三門(寺院の正門)豊川稲荷・最上稲荷はお寺だが鳥居がある
名前神社・宮・大社・社寺・院・山号(〇〇山)豊川稲荷の正式名は圓福山 妙嚴寺
地図記号鳥居の形卍の形神道教会などには神社の記号を使わない
境内の小さな社摂社・末社鎮守社寺の鎮守は神を祀る

入口が鳥居か山門か

鳥居は神社の神域を象徴する門で、山門は寺院の正門です。境内に入る前に見分けられます。

デジタル大辞泉は鳥居を「神社の神域を象徴する一種の門」、山門を「寺院の正門。三門」と説明し、山門の字は寺が山に建てられたことから来ると書いています(コトバンク「鳥居」・「山門」)。ただし世界大百科事典は「一部の寺院にも鳥居がある」と書いており、鳥居だけで決めると外れることがあります。お寺に鳥居がある例は、後の「いまも残る神仏習合」の節で挙げます。

名前の付け方:社号と寺号・山号

神社の社号は「神社」「宮」「大社」など、お寺は「〇〇寺」「〇〇院」の寺号と「〇〇山」の山号です。

神社本庁は、社号に「神宮」「宮」「大社」「神社」「社」などがあり、神仏習合の影響で「権現」と付ける場合もあると説明しています(神社本庁「神社の名前」)。お寺は、豊川稲荷が「正式名を「妙嚴寺」と称し、山号を圓福山とする曹洞宗の寺院」と書くように、通称と正式名が違うことがあります(豊川稲荷「豊川稲荷について」)。通称に「稲荷」と付くお寺の話は稲荷神社とはでも扱っています。

地図記号は鳥居と卍

国土地理院の地図記号は、神社が鳥居の形、寺院が卍の形です。地図アプリで行く前に見分けられます。

国土地理院は神社の記号を「神社の参道入口などに立っている鳥居の形を表しています」と説明し、「神道教会などに所属している建物には、この記号は使いません」と添えています(国土地理院「神社」)。寺院の記号は「卍の形を表した記号」です(国土地理院「寺院」)。近所の神社を地図で探すときの注意は近くの神社の探し方にまとめています。

神社とお寺の数|神社80,570・寺院76,390

文化庁『宗教年鑑』令和7年版では、神社が80,570、寺院が76,390で、神社のほうが4,180多い数です。

数は令和6年12月31日現在で、宗教年鑑の第2表「全国社寺教会等」の宗教団体の数です。宗教団体には、宗教法人になっていない団体も含まれます。同じ宗教年鑑にある「神道系84,014・仏教系76,493」は、神社や寺院のほかに教会や布教所なども入った宗教法人の数で、神社とお寺の数そのものではありません(文化庁『宗教年鑑』令和7年版)。

数え方神社寺院宗教年鑑の表
宗教団体(法人でない団体も含む)80,57076,390第2表
そのうち宗教法人80,48675,165第2表
系統をまたぐもの仏教系の神社 20神道系の寺院 12第2表
(参考)系統別の単位宗教法人神道系 84,014仏教系 76,493教会・布教所なども含む
(参考)教師の数神道系 64,491人仏教系 359,390人宗教団体・教師・信者数

「約8万社」と「神道系84,014」はどう違うか

「約8万社」は神社の数、「神道系84,014」は神社以外も含む法人の数で、数えている物が違います。

愛知県神社庁は「全国には約8万の神社がございます」と書き、神社本庁も英語版で約80,000の神社を挙げています(神社本庁 英語版)。これは宗教年鑑の神社80,570と合います。一方で教師(宗教の指導者)の数は仏教系が約36万人、神道系が約6万人で、お寺のほうが人の数ではずっと多くなります。神社本庁は、神職が常駐していない神社があることもよくある質問で書いています。

参拝作法の違い|神社は二拝二拍手一拝、お寺は合掌して一礼

神社は二拝二拍手一拝が基本で、確かめた寺の公式の手順は、どれも合掌して一礼でした。

神社本庁と寺の公式に載っている手順を並べます。

場面神社(神社本庁)お寺(寺・霊場会の公式)
入口神社本庁の参拝方法には書かれていない成田山「総門で一礼」、四国霊場会「山門で合掌、一礼」
手水柄杓で左手・右手・口の順浅草寺「龍の口から受けた一杯のお水ですべての作法」
お賽銭決まった額は無い。丁重に入れる成田山「お賽銭を入れ、合掌してお祈り」
拝む再拝・二拍手・一拝合掌して一礼(西本願寺「合掌・礼拝にはじまり合掌・礼拝におわります」)
お線香神社本庁の参拝方法に出てこない四国霊場会は線香とろうそくを供える

神社の作法:再拝・二拍手・一拝

神社本庁は「再拝・二拍手・一拝」を基本形とし、神社によっては特殊な拝礼方法があると書いています。

手順は、神前で姿勢を正して腰を90度に折る拝を2回、胸の高さで両手を合わせて右の指先を少し下にずらし2回手を打ち、最後にもう1回拝をします(神社本庁「参拝方法」)。特殊な作法の神社では、その神社の作法に従うよう神社本庁は書いています。鳥居のくぐり方から授与所までの流れは神社の参拝作法とお参りの仕方で確かめられます。

お寺の作法:合掌して一礼

確かめた寺の公式は、どれも合掌と一礼の手順で、拍手は出てきません。拍手を禁じた宗派の文もありません。

成田山新勝寺は「大本堂の階段を上がり、正面の賽銭箱の前で一礼し、お賽銭を入れ、合掌してお祈りください。その後、軽く一礼します」と書き、作法は一例だと断っています(成田山新勝寺「参拝の仕方」)。四国八十八ヶ所霊場会は「山門(仁王門)で合掌、一礼して境内に入ります」とし、本堂と大師堂で読経してから納経所へ向かう順を載せています(四国八十八ヶ所霊場会「参拝方法」)。西本願寺は「合掌・礼拝にはじまり合掌・礼拝におわります」と書きます(西本願寺「参拝のマナー」)。当サイトが開いた上位の比較記事のうち4本(DIME・さんたつ・MATCHA・CREX)は「お寺では拍手をしない」と書いていますが、曹洞宗・妙心寺・日蓮宗などの公式にもそれを明記した本文は見つかりませんでした。迷ったら、その寺の案内どおり合掌と一礼にしておけば、確かめた公式のどれとも食い違いません。

手水とお賽銭は神社もお寺も同じ考え方

手水で手と口を清め、お賽銭を丁重に入れるのは、神社にもお寺にも共通する手順です。

神社本庁は、お賽銭に「正式にお賽銭として決められた額はありません」とし、箱に入れるときは「丁重な動作を心掛けると良い」と書いています(神社本庁「お賽銭」)。東京都神社庁は、賽銭はもともと祈願がかなったお礼に「神仏に奉った金銭」だと説明しており、神と仏のどちらにも供えるものとして書かれています。お寺の手水は、浅草寺が「龍の口から受けた一杯のお水ですべての作法を行います」と書いています(浅草寺「参拝の作法」)。

仕える人と教え|神職と僧侶、経典の有無

神社には神職、お寺には僧侶が仕えます。神道には統一された教義や経典がなく、仏教には経典があります。

神社本庁は英語版で、神道には多くの宗教と違って統一された教義や経典が無いと書き、日本語版でも「他宗教のような戒律に当たるものはありません」とし、実践の規範に「敬神生活の綱領」を挙げています(神社本庁「神社本庁について」)。お寺は、日本大百科全書が「僧尼がそこに住んで」と書くとおり、僧が暮らす場でもあります。

神社では神職のほかに、巫女が神職の仕事を補佐し、授与所の応対や神楽を務めます。巫女と神職の違い(資格の有無・装束・仕事)は巫女とは何かを神社庁と募集要項で確かめた記事にまとめています。

神職が常駐していない神社もある

神社本庁は、神職が常駐していない神社があり、その場合は都道府県の神社庁に相談するよう書いています。

神社本庁のよくある質問は「神社に神職が常駐していない場合は、お住いの都道府県の「神社庁」にご相談ください」と案内しています(神社本庁「よくある質問」)。愛知県神社庁も、常時神職がいない神社があり、御朱印の受付時間は神社で違うと書いています。自分の住む地域の神社を調べる手順は氏神様の調べ方にまとめています。

神式と仏式のお墓の違い

神社本庁は、神式と仏式のお墓は形が似ていて、大きな違いは無いと書いています。

違いとして神社本庁が挙げるのは、仏式にはお線香立てがあり、神式には供物を供える台を設け、墓石の正面に「〜家の奥津城(おくつき)」と記すことがある点です(神社本庁「お墓」)。お墓のある所をお寺と結びつけがちですが、神道にもお墓があります。

納めるお金の呼び方|神社は初穂料、お寺は社寺ごとに違う

神社に納めるお金は「初穂料」が多く、お寺は「納経料」「冥加料」「奉納料」など社寺ごとに呼び方が違います。

社寺の公式が使っている言い方をそのまま並べます。

社寺御朱印などに納めるお金の呼び方出典
神社本庁初穂料・御神前・御供・玉串料・御榊料(表書きの例)神社本庁「表書き」
八坂神社初穂料八坂神社 授与品
西国三十三所・四国八十八ヶ所納経料各霊場会
中尊寺冥加料中尊寺
最上稲荷(日蓮宗)奉納料最上稲荷
東大寺御朱印料東大寺
善光寺頒布価格善光寺

神社は「初穂料」が基本

神社本庁は、包みの表書きに「初穂料」のほか「御神前」「玉串料」などの書き方があると説明しています。

原文は「包みの表書きには「初穂料」のほかに「御神前」「御供」「玉串料」「御榊料」等の書き方があります」です(神社本庁「表書き」)。御朱印でも、八坂神社は「初穂料:500円」と書いています。祈祷を受けるときの初穂料の例は厄除けのおすすめの神社と寺で、神社と寺の言い方の違いも含めて並べています。

お寺は呼び方が1つに決まっていない

お寺の公式は、納経料・冥加料・奉納料・御朱印料など、それぞれの言い方で金額を書いています。

西国三十三所札所会と四国八十八ヶ所霊場会は「納経料」、中尊寺は「冥加料」、最上稲荷は「奉納料 各500円以上」、東大寺は「御朱印料 各300円」と書いています。どれが正しいということではなく、社寺の案内に書かれた言い方に合わせれば足ります。お寺で受けたお札やお守りの扱いは、後の節で書きます。

神仏習合とは|神と仏は1,000年以上いっしょに祀られてきた

神仏習合は、日本の神の信仰と仏教を融合させた考え方で、明治元年の神仏判然令で神と仏を分けるよう命じられました。

デジタル大辞泉は神仏習合を「日本固有の神の信仰と外来の仏教信仰とを融合・調和するために唱えられた教説」と説明しています(コトバンク「神仏習合」)。いまの「神社は神道、お寺は仏教」という分け方は、明治の政策で整えられたものです。流れを年表にしました。

神と仏の関係の移り変わり 6世紀 奈良 平安 1868年 1874年頃 昭和10年頃 仏教が伝わる 「神道」の 呼び名 神社に 神宮寺が 建てられる 寺に鎮守の神 本地垂迹説 権現の号 神仏判然令 3月28日 権現号の廃止 廃仏毀釈が 各地で続く 「御朱印」 の呼び名 明治元年に神と仏を分ける令が出た。それまでは同じ境内に祀られていた
神社本庁・東京都神社庁・日本大百科全書・国立国会図書館レファレンス協同データベースをもとに当サイト作成

奈良時代の神宮寺と、平安時代の寺の鎮守

奈良時代には神社に付属する神宮寺が建てられ、平安時代には寺院の境内に鎮守の神が祀られました。

東京都神社庁は、奈良時代に「諸国の神社に付属する寺院を設け、そこに僧侶を置き「神宮寺」としました」と書き、このころは「まだ神が主で仏が従だった」としています(東京都神社庁「奈良時代の神社」)。平安時代については、僧侶が支配的になって立場が逆になり、「仏を守るために、寺院の境内に鎮守の神が祀られるようになりました」と書いています(東京都神社庁「平安時代の神社」)。

本地垂迹と「権現」

本地垂迹は、仏や菩薩が人を救うために仮に神の姿で現れたとする考え方で、「権現」の号はここから来ています。

日本大百科全書は本地垂迹を「仏菩薩を本地(真実の身)、神を垂迹(仮の身)とする思想」と説明し(コトバンク「本地垂迹」)、権現号は「1868年(慶応4)3月の神仏分離によって廃止された」と書いています(コトバンク「権現」)。神社本庁も、平清盛が厳島神社の祭神を十一面観音の化身と考えて経典を奉納した平家納経を、神仏習合の例に挙げています。八幡神が奈良時代に大菩薩の号を受けた流れは八幡神社とは、神社にもお寺にも祀られる弁財天は弁財天とはで書いています。

1868年の神仏判然令と廃仏毀釈

神仏判然令は明治元年(1868年)3月28日の太政官の布告で、この後に各地で廃仏毀釈が起きました。

国立国会図書館のレファレンス協同データベースに載る福岡県立図書館の回答は、法令集での名を「神仏分離の令(明治元年3月28日太政官第196)」としています(レファレンス協同データベース)。日本大百科全書は、その前の3月17日に神社に仕える僧形の別当・社僧へ還俗が命じられ、廃仏毀釈が「1874年(明治7)ごろまで続いた」と書いています(コトバンク「神仏分離」)。デジタル大辞泉は、神社に付属した神宮寺がこの令で「分立または廃絶」したと説明しています。

時期できごと出典
6世紀仏教が伝わり、日本の信仰を「神道」と呼んで区別する神社本庁
奈良時代神社に付属する神宮寺が建てられる東京都神社庁
平安時代寺院の境内に鎮守の神が祀られる。本地垂迹説が広がる東京都神社庁・共同通信ニュース用語解説
1868年3月17日神社に仕える僧に還俗を命じる日本大百科全書
1868年3月28日神仏判然令(太政官第196)。権現号の廃止レファレンス協同データベース・日本大百科全書
1874年ごろまで廃仏毀釈が各地で続く日本大百科全書

いまも残る神仏習合|鳥居のあるお寺、寺のあった神社

豊川稲荷と最上稲荷はお寺なのに鳥居があり、伏見稲荷大社の境内には明治初年までお寺がありました。

神仏判然令のあとも、神と仏を一緒に祀る形が残った所があります。公式が自分で書いている例を並べました。

社寺宗派・種別残っているもの公式の書き方
豊川稲荷(愛知)曹洞宗の寺(妙嚴寺)鳥居、鎮守の吒枳尼眞天「本殿前大鳥居(二の鳥居)横、御朱印所」
最上稲荷(岡山)日蓮宗の寺(妙教寺)鳥居、神仏習合の祭祀「「神仏習合」の祭祀形式が許されました」
伏見稲荷大社(京都)神社境内にあった愛染寺(明治初年に廃絶)「元禄時代より幕末まで愛染寺と称して存続」

豊川稲荷は曹洞宗のお寺

豊川稲荷の正式名は妙嚴寺で、曹洞宗のお寺です。祀るのは鎮守の豐川吒枳尼眞天です。

豊川稲荷は「当寺でお祀りしておりますのは鎮守・豐川吒枳尼眞天です」と書き、1441年に曹洞宗の寺として開かれたとしています。明治の神仏分離では「廃仏毀釈の暴勢に乗じて一時は当山もその厄に遇うこと必至と思われました」とも書いています(豊川稲荷「豊川稲荷について」)。御朱印所は「本殿前大鳥居(二の鳥居)横」にあり、お寺の境内に鳥居が立っていることが公式の案内から分かります。

最上稲荷は神仏習合の形を許された

最上稲荷の正式名は最上稲荷山妙教寺で、日蓮宗のお寺ですが、神仏習合の祭祀を続けています。

最上稲荷は、明治の神仏分離のとき「「神仏習合」の祭祀形式が許されました」と書き、お参りでは「「南無妙法蓮華経」とお唱えするのが正式な作法です」としています(最上稲荷「よくある質問」)。鳥居があっても、拝み方はお寺の作法です。鳥居の形だけで神社と決めない例として覚えておくと迷いません。

伏見稲荷大社にはお寺があった

伏見稲荷大社の境内には、元禄時代から幕末まで愛染寺というお寺があり、明治初年に廃絶しました。

伏見稲荷大社はよくある質問で、応仁の乱で焼けた本殿の復興のために設けられた本願所が「元禄時代より幕末まで愛染寺と称して存続しました。しかし明治初年に廃絶しました」と答えています(伏見稲荷大社「よくある質問」)。いまは神社だけが残っていますが、もとは神社とお寺が同じ山にあった例です。伏見稲荷大社の御祭神や参拝時間は伏見稲荷大社のページで確かめられます。

神社とお寺の御朱印の違い|神社は社名と社印、お寺は本尊名と宝印

神社の御朱印は社名と日付に社印、お寺の御朱印は本尊や堂の名と寺の宝印が中心です。どちらも起源は納経です。

公式に中身が書かれていた社寺を並べます。

社寺墨書・印の中身出典
伊勢神宮印と日付だけ(社名の墨書は無い)神宮「お守り・お神札・御朱印」
八坂神社「八坂神社」。境内社・境外社10社の朱印もある八坂神社 授与品
浅草寺本尊の聖観世音菩薩と、浅草名所七福神の大黒天浅草寺「御朱印」
清水寺中央に「大悲閣」、右に日付、左に札所名清水寺
東大寺大仏殿「華厳」、法華堂「不空羂索」、二月堂「南無観」など堂ごと東大寺「御朱印について」
延暦寺根本中堂の薬師如来など、堂ごとの本尊延暦寺「御朱印」
善光寺「善光寺」。梵字の印と「一光三尊」の朱印もある善光寺「御朱印」
日蓮宗の國相寺中央に「南無妙法蓮華経」の御首題國相寺

起源はどちらも写経を納めた受取

神社本庁も寺の公式も、御朱印の起源を書写した経を納めたときの受取と書いています。

神社本庁は、御朱印の起源を「神社仏閣に書写した経典を奉納した際にいただいた「納経受取の書付」ではないかといわれています」とし、「昭和10年頃から「御朱印」という呼称が見られるようになります」と書いています(神社本庁「御朱印」)。清水寺は「ご朱印とは本来、ご自身が行った写経を納めた証でした」と書き(清水寺「ご朱印」)、中尊寺は「現在では、御本尊参拝の証として授けております」としています。神社とお寺の御朱印は、同じところから始まったものです。いただき方の手順は御朱印とはで詳しく書いています。

神社の御朱印:社名と社印、日付

神社の御朱印は社名と日付に社印を押す形が多く、伊勢神宮は印と日付だけです。

神宮は「神宮では古くからの習わしで印と日付だけの簡素な御朱印となっています」と書いています(神宮「お守り・お神札・御朱印」)。八坂神社は本社の御朱印のほか、悪王子社など境内社・境外社10社の朱印を各300円で授けています(八坂神社「授与品」)。神社ごとの御朱印は御朱印が人気の神社20社、明治神宮は明治神宮の御朱印にまとめています。

お寺の御朱印:本尊や堂の名

お寺の御朱印は、本尊の名や堂の名を墨で書き、寺の宝印を押すものが多く、堂ごとに種類があります。

東大寺は大仏殿で「華厳」、法華堂で「不空羂索」、二月堂で「南無観」と、堂ごとに違う墨書を授けています(東大寺「御朱印について」)。浅草寺は「ご本尊さまの御朱印と浅草名所七福神の大黒天さまの御朱印」を影向堂で授けています(浅草寺「御朱印」)。中尊寺は「御朱印は寺の宝印を押すものですので粗末に扱わないようにご注意ください」と書いています(中尊寺「体験・御朱印」)。西国三十三所札所会は「御朱印は札所本尊の分身ですので、大切にお持ちください」としています。

日蓮宗の御首題と、御朱印をしないお寺

日蓮宗の國相寺は「南無妙法蓮華経」の御首題を書くと案内し、東本願寺は御朱印を行っていません。

日蓮宗の國相寺(佐賀市)は、日蓮宗では御朱印を「御首題」と呼び、中央に「南無妙法蓮華経」の御題目を書くこと、本来は御首題帳に授けるもので、他宗の御朱印帳には「妙法」とだけ書く寺もあることを案内しています(國相寺「御首題」)。東本願寺はよくある質問で「東本願寺では御朱印は行っておりません」と答え、2025年からは懇志を納めた人に参拝証を授けています(東本願寺「よくある質問」)。御朱印をしない理由は、東本願寺の案内には書かれていませんでした。

御朱印の値段|500円が多く、300円から上げた寺社がある

公式に金額を載せていた10か所のうち、8か所が500円(最上稲荷は500円以上)で、東大寺は300円でした。

金額は2026年10月24日に各公式で確かめたものです。伏見稲荷大社・熱田神宮・出雲大社・浅草寺・清水寺・川崎大師・延暦寺は、公式に金額の記載がありませんでした。

社寺種別公式の金額直書き・書き置き
明治神宮神社紙の御朱印 500円(英語版。日本語版に金額なし)帳面を持たない人に紙の御朱印
神田明神神社オンライン授与の御朱印 500円オンラインは書き置き
八坂神社神社御本社朱印(手書き)500円・御本社朱印 300円9時〜16時は直書き、16時以降は用紙
成田山新勝寺寺500円(各御堂共通)繁忙期は印刷、ほかは手書き
善光寺寺通常500円・季節限定1,200円通常は本堂正面左の勧募所で直書き
建長寺寺500円拝観受付の後に帳面を預け、帰りに受け取る
豊川稲荷寺各500円(特別1,000円)15時30分以降は書き置き
中尊寺寺500円(2025年10月1日から)記載なし
最上稲荷寺各500円以上記載なし
東大寺寺各300円基本は御朱印帳に書く

300円から500円に上げた時期

西国三十三所と四国八十八ヶ所は2024年4月1日に、中尊寺は2025年10月1日に、300円から500円に上げました。

四国八十八ヶ所霊場会は「令和6年4月1日より納経料を改定」し、納経帳を300円から500円に、納経の受付も午前8時からに改めました(四国八十八ヶ所霊場会「改定のお知らせ」)。西国三十三所札所会も同じ日に納経帳を500円にし、「一部の寺院では改定しておりません」と添えています(西国三十三所)。

社寺改定日改定前→改定後出典
日光山輪王寺2023年4月1日300円→500円輪王寺の告知
西国三十三所札所会2024年4月1日納経帳 300円→500円札所会
四国八十八ヶ所霊場会2024年4月1日納経帳 300円→500円霊場会
妙心寺2025年4月1日記帳 300円→500円妙心寺の告知
上色見熊野座神社(熊本)2025年8月1日書き置き 300円→500円阿蘇高森観光の告知
中尊寺2025年10月1日300円→500円中尊寺の告知

理由として輪王寺は「原材料、物流費用、人件費等あらゆる費用の高騰」(輪王寺の告知)、妙心寺は「昨今の人件費高騰」を挙げています(妙心寺の告知)。中尊寺の改定は中尊寺のお知らせに載っています。

限定の御朱印と転売

限定の御朱印は1,000〜1,500円の例があり、転売を理由に授与をやめた寺社もあります。

信貴山朝護孫子寺は2026年4月6日、3月27日から授けていた「必勝祈願ご朱印」を「心無い「転売行為」」を理由に中止しました(信貴山「お知らせ」)。弁護士ドットコムニュースは2026年10月16日、東京・渋谷区の鳩森八幡神社がコラボ御朱印の転売を受けて11月の授与を取りやめたと報じています(弁護士ドットコムニュース)。愛知県神社庁は「御朱印を参拝の目的にしないでください」と書いています(愛知県神社庁「ご朱印について」)。

お寺と神社の御朱印帳は分けるべきか|決まりは無いが、分けるよう勧める日蓮宗の寺がある

神社とお寺の御朱印を1冊にまとめてはいけない決まりは無く、日蓮宗の妙光寺・本門寺は御首題帳を分けるよう勧めています。

当サイトの御朱印帳の選び方で確かめた範囲では、佛教大学教授の八木透氏が読売新聞の取材に、異なる神仏の御朱印を同じ帳面でいただくのは「基本的に問題ありません」と答えています。一方で日蓮宗の妙光寺は寺報で、神社や他宗派の御朱印が混じった帳面は日蓮宗寺院で「断られることもあります」と書き、本門寺は御朱印帳と御首題帳を分けるよう勧めています。

行き先帳面の分け方の目安根拠
神社と、日蓮宗以外のお寺1冊にまとめる決まりは無い民俗学者の談話・元宮司の解説(御朱印帳の選び方の記事)
日蓮宗のお寺御首題帳を別に用意する妙光寺・本門寺・國相寺の案内
東本願寺御朱印を行っていない(参拝証を授与)東本願寺 よくある質問

1冊にまとめても、断られるのは一部

混ざった帳面で断られる例として公式で確かめられたのは、日蓮宗の寺の案内だけでした。

確かめた神社10社の御朱印の案内に、混じった帳面についての記載はありませんでした。日蓮宗のお寺を回る予定があるなら御首題帳を1冊別にしておき、それ以外は行き先に合わせて決めれば足ります。神社用とお寺用で分けると、どこで受けたかを後から見返しやすいという利点もあります。帳面の大きさや綴じ方は御朱印帳の選び方にまとめています。

書く前に、御朱印を受けているかを確かめる

御朱印を行っていない寺や、時期によって書き置きだけになる社寺があるので、行く前に公式を見ます。

東本願寺は御朱印を行わず、鶴岡八幡宮は令和8年の正月の案内で「一月中は紙朱印のお渡しのみ」と書いています(鶴岡八幡宮 正月の御朱印の案内)。愛知県神社庁は、神職が常にいない神社や受付時間が違う神社があり、断る場合もあると書いています。

お札とお守りを返すところ|お寺のものはお寺へ

お寺で受けたお札やお守りは、そのお寺へ返します。神社の古札納所では受け付けないことがあります。

大阪府神社庁は、古いお札やお守りについて「仏教やキリスト教など、神社以外で頂いたものは、その宗教の施設へお返しください」と書いています(大阪府神社庁「よくある質問」)。神社のお札の返し方は神棚のお札の祀り方と返納、神棚が無いときは神棚が無い場合のお札で確かめられます。

他宗教のものを預からない古札納所

当サイトが確かめた古札納所には、お寺のお守りを受け付けないと公式に書く神社がありました。

神棚のお札の記事で確かめた範囲では、熱田神宮は「他宗教のものや燃えないもの」を預からず、武蔵一宮 氷川神社は「お寺の御守等は不可」と案内していました。一方で東京大神宮は、違う神社のものなら近くの神社に納めてよいとしています。お寺のものは受けたお寺へ持っていくのが確実です。

よくある質問

Q. 神社のお守りとお寺のお守りを一緒に持ってもいいですか?

A. 一緒に持つことを禁じた公式はありません。神社本庁はお守りを複数持ってもよいとしており、神社とお寺のものを分けて持つよう書いた案内は、確かめた範囲にありませんでした。返すときだけは別々で、大阪府神社庁は神社以外で受けたものは「その宗教の施設へお返しください」と書いています。

Q. 厄除けは神社とお寺のどちらで受けますか?

A. どちらでも受けられます。世界大百科事典は厄年に「神社や寺院に参って厄祓いの祈願をするのがふつう」と書いています。神社本庁は「厄祓いの儀(厄除け)」と呼び、川崎大師はお護摩で厄除けを祈願しています。社寺ごとの初穂料・祈祷料は厄除けのおすすめの神社と寺で比べています。

Q. 同じ日に神社とお寺の両方にお参りしてもいいですか?

A. 禁じた公式はありません。当サイトが神社本庁・神宮・4つの神社庁の案内を確かめた範囲で、お寺と同じ日に行くことの可否を書いたものはありませんでした。浅草寺のように、本尊と七福神の大黒天の御朱印を同じ寺で授ける所もあります。

Q. 浄土真宗のお寺で御朱印はもらえますか?

A. 東本願寺は「御朱印は行っておりません」と答えています。2025年からは、懇志を納めた人に参拝証を授けています。西本願寺の公式に御朱印の案内は見当たりませんでした。浄土真宗のほかのお寺は、行く前にそのお寺の案内を確かめてください。

Q. 御朱印と納経印は何が違いますか?

A. 納経印は経を納めた証、御朱印は参拝の証として授けられるものです。四国八十八ヶ所霊場会は納経を「お経をご本尊様やお大師様に納めた(読経、写経)証」と書き、神社本庁は御朱印の起源を納経の受取とし、「御朱印」の呼び名は昭和10年頃からと書いています。

Q. 神社とお寺の数は減っていますか?

A. 宗教法人の数では、1年で神道系・仏教系とも減りました。文化庁は令和6年12月31日現在の単位宗教法人を神道系84,014・仏教系76,493とし、前の年から神道系は99、仏教系は109減ったと書いています(宗教年鑑 令和7年版の概要)。この数には神社と寺院のほかに教会なども含まれます。

まとめと参考にした一次情報

神社は神を、お寺は仏を祀り、入口・名前・地図記号で見分けます。御朱印はどちらも納経が起源です。

お参りは神社が二拝二拍手一拝、お寺は合掌して一礼です。数は神社80,570・寺院76,390で、明治元年の神仏判然令で神と仏を分けるよう命じられました。御朱印は神社が社名と社印、お寺が本尊や堂の名で、公式に金額を載せた10か所のうち8か所が500円(最上稲荷は500円以上)でした。1冊にまとめる決まりは無く、日蓮宗の妙光寺・本門寺は御首題帳を分けるよう勧めています。御朱印のいただき方は御朱印とは、帳面の選び方は御朱印帳の選び方、神社の探し方はご利益から神社を探すで確かめられます。

この記事は、以下の一次情報と資料で確かめました(いずれも2026年10月24日に確認)。

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