MENU
まずここから
神社を調べる
はじめての神社参拝
5つの属性

巫女とは|仕事・装束・神職との違いと、助勤巫女の条件を神社庁と7社の募集要項で確かめた

巫女とは|仕事・装束・神職との違いと、助勤巫女の条件を神社庁と7社の募集要項で確かめた

先に結論だけ

巫女(みこ)は、神社で神職の仕事を補佐し、神楽を舞う女性です。東京都神社庁は「神職の仕事を補佐する役を担った女性」で、白の着物に緋(ひ)の袴の姿で神楽を舞ったり祈祷を行ったりすると説明しています。

神職(神主)とは別の役目です。神職には階位という資格が要りますが、7社の巫女の募集要項に資格の条件はありません。条件は年齢・未婚かどうか・髪の色などで、神社ごとに違います。

装束は白衣(はくえ)と緋袴(ひばかま)が基本で、舞のときは千早(ちはや)を重ね、花簪を付けて鈴や扇を持ちます。浦安の舞は昭和15年に作られた巫女舞で、今も各地の神社で舞われています。

当サイト(カンナビ)は2026年11月3日、東京都神社庁のQ&A、伊勢の神宮・春日大社・國學院大學の公式、7つの神社の巫女の募集要項(年度はそれぞれ明記)を原文で読み、辞典(コトバンク)と文化庁『宗教年鑑』令和6年版で裏を取りました。神社本庁のサイトは確認時にメンテナンス中で本文を読めなかったため、神社本庁の説明は引いていません。

この記事でわかること

  • 巫女とは何か: 神社の巫女と口寄せの巫女の2つの系統、読み方と呼び方、司祭者から神職の補佐へ変わった歴史をまとめました。
  • 仕事と装束: 授与所・祈祷・神楽の仕事と、白衣・緋袴・千早・花簪・丈長の名前を神社庁と神社の公式で並べました。
  • 巫女舞: 浦安の舞・豊栄舞・春日大社の八乙女舞・神宮の倭舞の由来と、見られる場面を書きました。
  • なり方と条件: 本職と年末年始の助勤の違い、7社の募集要項の年齢・未婚・髪・時給を1つの表にしました。「巫女は処女でないといけない」という言い伝えも辞典と要項で確かめています。

神社での基本の作法は神社の参拝方法(鳥居のくぐり方から二拝二拍手一拝まで)にまとめています。

目次

巫女とは?神職の仕事を補佐し、神楽を舞う女性

巫女とは、神社に仕えて神職の仕事を補佐し、祭りで神楽を舞う女性のことです。

東京都神社庁のQ&Aは、巫女を「神子」とも書き、神職(しんしょく)の仕事を補佐する役を担った女性だと説明しています。ふだんは白の着物に緋の袴をはいた姿で神に仕え、神楽を舞ったり祈祷を行ったりします。デジタル大辞泉も第1の意味を「神社に属し、神楽を舞ったり神事に奉仕して神職を補佐する女性」としています。國學院大學の『神道事典』(英語版)も、今は神職の祭りや事務を手伝う女性を指す語だと書いています。

読み方と「巫」「かんなぎ」の意味

「巫女」は「みこ」と読むのが一般的で、辞典には「ふじょ」「かんなぎ」の読みも載っています。

東京都神社庁によると、「かんなぎ」の語源には、神意を招く意味の「神招(かみまね)ぎ」とする説と、「神和(かんなぎ)」とする説があります。かんなぎは女性だけでなく男性もいて、男性を「覡(おかんなぎ)」、女性を「巫(めかんなぎ)」と呼んで区別していました。精選版日本国語大辞典は、古くは「ふじょ」を「ぶじょ」とも読んだと書いています。

神社の巫女と口寄せの巫女

辞典は巫女を、神社に仕える巫女と、民間で口寄せをする巫女の2つの系統に分けて説明しています。

日本大百科全書は、宮廷や神社に仕えて神職の下で祭典の奉仕や神楽を行う巫女と、民間で神霊や死霊の口寄せを営む巫女の「二つの巫女の系統」があると書いています。デジタル大辞泉も第2の意味に、祈祷・占いや死者の口寄せをする女性を挙げ、東北のいたこ、沖縄のゆたを例にしています。この記事が扱うのは前者の、神社に仕える巫女です。

巫女の2つの系統(辞典の説明) 巫女 神社に仕える巫女 神職を補佐する 授与所・祈祷の補助 神楽・巫女舞 この記事が扱う巫女 民間の口寄せの巫女 神霊・死霊の言葉を伝える いたこ(東北)・ゆた(沖縄) 梓巫女・歩き巫女 神社には属さない
日本大百科全書・デジタル大辞泉・ブリタニカ国際大百科事典(コトバンク)の説明から当サイトが作図

巫女さん・御巫・舞女・舞姫|神社ごとの呼び方

巫女の呼び方は神社によって違い、公式では「御巫」「舞女」「舞姫」などの名前が使われています。

春日大社は神楽を舞う巫女を「御巫(みかんこ)」、伊勢の神宮は舞の奉仕をする女性を「舞女(まいひめ)」と呼んでいます。國學院大學の祭祀舞の記事では、浦安の舞や豊栄舞を舞う女性を「舞姫」と書いています。Wikipediaは「神子」「御神子(みかんこ)」の呼び方も挙げています。「巫女さん」「お巫女さん」のように「さん」や「お」を付けるのは話し言葉の丁寧な呼び方で、神社の公式の呼び名ではありません。

巫女の歴史|祭りを司る司祭者から、神職の補佐へ

巫女はもともと祭りを司る中心の役目で、のちに男性の神職が祭りを担い、巫女は補佐の役目になりました。

東京都神社庁は、かつての巫女は祭りを司る中心的な司祭者で、霊魂を招いてその心を自分の口から述べたり、呪術的な祈祷を行ったりしていたようだと書いています。國學院大學の『神道事典』も、男性の神主・祝(はふり)・禰宜が祭りの中心になるにつれ、巫女が補助の役へ移ったとする見方を紹介しています。

巫女の歩み(辞典と公式から) 古代 卑弥呼・倭姫命などが神に仕えた例(辞典) 律令 神祇官の女性の神職を「御巫(みかんなぎ)」 平安 春日大社の八乙女舞が延喜年間(901〜922年)に 明治 口寄せに禁令/神宮の倭舞が乙女舞に 昭和15年 浦安の舞が作られる(皇紀2600年の奉祝) 戦後 資格を得れば女性も神職になれる 出典:日本大百科全書・國學院『神道事典』・春日大社・神宮・國學院・東京都神社庁
各出典の記述を当サイトが年表にまとめたもの

古代:卑弥呼や倭姫命が神に仕えた例

辞典は、もともと神に仕えるのが女性だったことの例として、卑弥呼や倭姫命を挙げています。

日本大百科全書は、邪馬台国の卑弥呼が鬼道に仕えたとする記事や、記紀に見える倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)・倭姫命・神功皇后などの伝承を、2つの系統の巫女の起源をたどる例として挙げています。國學院大學の『神道事典』も、天岩戸の前で舞ったアメノウズメなどを古代の例に挙げています。

律令の「御巫(みかんなぎ)」と神社ごとの名前

律令の時代には、神祇官に仕える女性の神職を「御巫(みかんなぎ)」と呼びました。

日本大百科全書は、神祇官の御巫(大御巫・坐摩巫・御門巫・生島巫)のほか、大神神社の宮能売、熱田神宮の惣ノ市、鹿島神宮の物忌、厳島神社の内侍など、神社ごとに巫女の呼び名があったと書いています。

明治の禁令と口寄せの巫女

明治に入ると、口寄せなどを行う民間の巫女の活動に禁令が出されたと辞典の解説は書いています。

共同通信の用語解説(コトバンク)は、口寄せは平安時代の説話集にも記され、「明治の禁令下でも根強く続いた」と書いています。神社の巫女とは別の系統の話で、禁令の年月日や中身は、この記事では一次資料で確かめられた範囲を超えるため書いていません。

戦後、資格を得れば女性も神職に

戦前は神職が男性に限られていましたが、戦後は資格を得れば女性も神職になれるようになりました。

東京都神社庁のQ&Aが「戦後は男女の差別はなくなり、女性も資格を得れば神職になれるようになりました」と説明しています。巫女と女性の神職は、今では別の役目として並んでいます。

神社の巫女の仕事内容

神社の巫女の仕事は、授与所でお守りやお札を授けること、祈祷の補助、神楽を舞うことが中心です。

募集要項に書かれた仕事を並べると、お守り・お札の授与、ご祈祷の受付と補助、参拝者の案内、境内の清掃、正月の準備が挙がっています。お守りや御朱印、おみくじ、絵馬を受けるのも授与所で、募集要項はこの授与を巫女の仕事に挙げています。

仕事中身出典
授与所お守り・お札・御朱印の授与、参拝者の案内芝大神宮・宗像大社・丹生都比売神社の募集要項
祈祷の補助ご祈祷の受付、神職の補助芝大神宮(祈願奉仕=神職補助)・丹生都比売神社
神楽・舞祭りや祈祷で神楽を舞う東京都神社庁・神宮・春日大社
清掃・準備境内の清掃、正月の準備、軽作業芝大神宮・宗像大社
接遇参拝者の応対、神酒の授与神宮(舞女)・沖縄県護国神社

授与所と祈祷の補助

授与所でのお守り・お札の授与と、ご祈祷の受付や神職の補助は、募集要項に必ず挙がる巫女の仕事です。

芝大神宮の令和6年度の要項は、仕事を「祈願奉仕(神職補助)、御守・御札の授与、参拝者案内、境内清掃」と書いています。丹生都比売神社の令和6年の要項も「お守りの授与、ご祈祷等の受付、参拝者対応」を挙げています。

神楽・巫女舞を舞う

祭りや祈祷のときに、神さまにご覧いただく舞(神楽)を奉納するのも巫女の役目です。

東京都神社庁は、巫女がお祭りのときなどに舞を舞って神さまにご覧いただくと説明しています。舞の種類と由来は、下の「巫女舞・神楽」の節にまとめました。

神宮の舞女は「高校卒業後5年間」が基本

神宮の採用ページは、舞女の奉仕期間を「高校卒業後5年間」としています。

舞女は神楽殿で舞を奉仕し、お守りの授与や参拝者の接遇も務めます。採用ページは、希望があれば奉仕の成績により他の職種で続けて奉仕することもできると書いています。茶道・生花・洋裁和裁などを習う時間も設けているそうです。神宮の御神楽の種類は、伊勢の神宮のご祈祷の案内に載っています。

巫女と神職(神主)の違い

巫女は神職を補佐する役目で、神職は祭儀や社務を行う資格を持った人です。

東京都神社庁は、神職を「神さまに奉仕し祭儀や社務などを行う者の総称」とし、神官・神主とも呼ぶと書いています。神社本庁に属する神社の神職は「階位」という資格を持つ必要がある、と國學院大學の便覧は説明しています。巫女の募集要項に資格の条件は書かれていません。お寺の僧侶との違いはお寺と神社の違いで比べています。

比べる点巫女神職(神主)
役目神職を補佐し、授与・祈祷の補助・神楽を務める祭儀や社務を行う(祝詞を奏上し祭りを執り行う)
資格7社の募集要項に資格の条件は無い階位(神職資格)が必要(神社本庁に属する神社)
なり方神社の募集に応募し、研修を受けて奉仕國學院大學・皇學館大學などの課程や研修で階位を得る
呼び名・職階巫女・御巫・舞女・舞姫宮司・権宮司・禰宜・権禰宜(神宮は祭主・大宮司・少宮司・禰宜・権禰宜・宮掌)
装束白衣に緋袴、舞では千早狩衣・袍など(位や祭りで変わる)
男女女性男女とも(戦後は女性も資格を得れば神職に)

表の「神職の装束」の行は一般的な名前だけを挙げ、色や位の決まりまでは書いていません。

神職には「階位」という資格が要る

神職になるには階位という資格が要り、大学の課程なら授業に加えて神社での実習があります。

國學院大學の神道文化学部の便覧は、神社本庁所属の神社の神職には定められた「階位」(神職資格)が必要だとし、課程を修めた学生は明階の無試験検定の合格や正階の授与を受けられると書いています。科目の履修のほかに神社実習が必要で、明階は神社で2年以上の在職などの条件がさらに付きます。

職階と階位は別のもの

宮司・禰宜・権禰宜は神社の中での役職(職階)で、明階・正階などの資格(階位)とは別のものです。

東京都神社庁は、神宮以外の神社の職階は一律に宮司・禰宜・権禰宜で、大きな神社では宮司の次に権宮司を置くこともあると説明しています。巫女はこの職階には入っていません。

神社本庁の女性の「教師」は3,770人(宗教年鑑)

文化庁の宗教年鑑 令和6年版では、神社本庁の「教師」は21,071人で、そのうち女性は3,770人です。

『宗教年鑑』令和6年版の神社本庁の欄は、教師を男17,301人・女3,770人・計21,071人と載せています。年鑑の「教師」は各教団が教師とする人の数で、いま神社で働いている神職の人数とぴったり同じとは限りません。年鑑には巫女の人数の欄も「巫女」の語もありません。

巫女の装束|白衣・緋袴・千早と髪飾り

巫女の装束は、白衣(はくえ)と緋袴(ひばかま)が基本で、舞のときに千早を重ねます。

東京都神社庁は「普通巫女さんは、白衣に緋袴(ひばかま)(赤い袴)を着ています」と説明しています。お祭りで舞を舞うときは、略式では千早を着て花簪(花の付いたかんざし)を頭に付け、五色の絹の付いた鉾先舞鈴・神楽鈴や、桧扇・舞扇を手に持ちます。

名前読みどんなものか出典
白衣はくえ白の着物。ふだんの装束東京都神社庁
緋袴ひばかま赤い袴。白衣と合わせて着る東京都神社庁
千早ちはや舞のときに上に重ねる衣東京都神社庁・神宮
花簪はなかんざし花の付いたかんざし。舞のときに付ける東京都神社庁
神楽鈴・鉾先舞鈴かぐらすず・ほこさきまいすず五色の絹が付いた鈴。舞のときに持つ東京都神社庁
桧扇・舞扇ひおうぎ・まいおうぎ舞のときに持つ扇東京都神社庁
天冠てんかん神宮の舞女が頭にいただく冠(紅梅をさす)神宮
丈長たけなが髪を結いまとめる飾り。春日大社の御巫は金色春日大社
小忌衣・袙・単・裳おみごろも・あこめ・ひとえ・も舞の正装で重ねる衣東京都神社庁

読みは各出典の振り仮名と一般的な読みを合わせて書いています。

ふだんの装束は白衣と緋袴

授与所や祈祷の補助をするふだんの巫女は、白の着物の白衣と赤い緋袴を着た姿で奉仕します。

芝大神宮の令和6年度の要項は「白衣・緋袴・草履は貸与致します」と書き、足袋と半襦袢は白を持参とする条件です。芝大神宮では、助勤の巫女も装束を神社から借りて着ることになります。

舞のときは千早・花簪・鈴・扇

舞を奉納するときは、白衣と緋袴の上に千早を着て、花簪を付け、鈴や扇を手に持ちます。

東京都神社庁によると、これは略式の舞の装束で、神主と同じように舞の正装もあり、そのときは小忌衣・袙・単・裳・緋袴を身に付けます。

神宮の舞女と春日大社の御巫の装束

神宮の舞女は緋色の長袴に白い千早と天冠、春日大社の御巫は金色の丈長と藤の花の簪で舞います。

神宮の公式によると、舞女は緋色の長袴に白い千早を付け、紅梅をさした天冠をいただき、右手に五色の絹を付けた榊の枝を持って舞います。春日大社の御巫は、付け毛を金色の丈長で結いまとめ、造花の藤の花の簪をさして舞い、額に富士額を描くなど独特の古い化粧を伝えています。

巫女舞・神楽|浦安の舞・豊栄舞・八乙女舞・倭舞

巫女が舞う神楽には、昭和に作られた浦安の舞や豊栄舞と、春日大社や神宮に古くから伝わる舞があります。

國學院大學は、神社などの祭典で奉納される神楽舞を「祭祀舞」とも呼ぶと説明しています。代表的な舞を、公式の説明で並べました。

舞いつ・どこの舞舞う人出典
浦安の舞昭和15年の皇紀2600年奉祝会に合わせて作られた。歌詞は昭和天皇の御製舞姫(巫女)國學院大學
豊栄舞(とよさかまい)日の恵み・四季の恵みをたたえる歌に合わせて舞う舞姫(國學院の奉納では4人)國學院大學
朝日舞昭和25年に作られた。歌詞は明治天皇の御製神職が舞うのが通例國學院大學
八乙女舞春日大社の社伝神楽の骨子。延喜年間(901〜922年)にさかのぼる8人の御巫春日大社
倭舞(やまとまい)清和天皇の代から宮中で舞われる。神宮では明治時代に乙女舞に改めた神宮の舞女神宮

浦安の舞は昭和15年に作られた「平和の祈り」の舞

浦安の舞は、昭和15年の皇紀2600年奉祝会に合わせて作られ、歌詞は昭和天皇の御製です。

國學院大學によると、浦安の舞は舞姫(巫女)が舞うことを想定した舞で、四海平安を願う「平和の祈り」の舞です。歌詞の御製は「天地の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」です。國學院大學の奉納では2人の舞姫が舞っています。

朝日舞は神職が舞う

朝日舞は昭和25年に作られた舞で、巫女ではなく神職が舞うのが通例です。

國學院大學は、朝日舞の歌詞は明治天皇の御製で、巫女舞とは違って神職が舞うのが通例の舞だと説明しています。

春日大社の八乙女舞は8人の御巫が舞う

春日大社の社伝神楽は、8人の御巫が舞う八乙女舞を骨子とし、起源は平安時代初めの延喜年間です。

春日大社によると、伴奏の琴師は御巫の上臈が務め、本歌の笏拍子、神楽笛、付歌の銅拍子と小鼓は神職が務めます。

神宮の倭舞は明治に乙女舞へ

神宮の倭舞は本来は男子4人の舞ですが、神宮では明治時代に乙女舞に改められました。

神宮の公式は、倭舞は清和天皇の代から宮中の儀式で舞われてきた舞で、今は舞女が楽師の歌に合わせて舞うと説明しています。

巫女舞を見られる神社と場面(巫女神社を探すなら)

巫女舞を見られる神社として公式が案内しているのは、ご祈祷で御神楽を奉納する伊勢の神宮と、社伝神楽の八乙女舞を伝える春日大社です。

伊勢の神宮では、ご祈祷の御神楽(おかぐら)で倭舞が舞われ、大々神楽では人長舞が、別大々神楽・特別大々神楽では舞楽も加わります。神宮の御神楽はご祈祷を申し込んだときに奉納される舞で、毎日決まった時間に見せる舞台ではありません。春日大社は社伝神楽の八乙女舞を公式で紹介しています。

場面巫女舞に出会えること当サイトの関連記事
神前式(神社の結婚式)式の中で巫女舞が奉納される神社がある神社の結婚式(神前式)の初穂料と流れ
七五三・お宮参りの祈祷祈祷の中で神楽が奉納される神社がある七五三の時期と初穂料・お宮参りの流れ
神宮のご祈祷御神楽で倭舞(大々神楽は人長舞も、別大々神楽・特別大々神楽は舞楽も)伊勢の神宮 御神楽の種別と舞
春日大社社伝神楽(八乙女舞)。奉納の機会は公式で確認春日大社 社伝神楽
例大祭など祭典で浦安の舞や豊栄舞が奉納される神社がある各神社の公式の祭事暦

巫女舞の有無や時間は神社ごとに違います。見たい場合は、行きたい神社の公式の祭事暦を確かめるか、社務所に問い合わせてください。神社は全国の神社一覧から探せます。

本職の巫女と助勤巫女の違い

本職の巫女は通年で神社に仕え、助勤の巫女は年末年始などの忙しい時期だけ奉仕します。

伊勢の神宮の舞女のように、高校を卒業してから年単位で奉仕する巫女がいる一方、この記事で読んだ7社は、正月の参拝者を迎えるために、学生などを「助勤(じょきん)」として短期間だけ募集しています。宗像大社は「正月巫女見習」、太宰府天満宮は「正月臨時巫女奉仕」と呼んでいます。

比べる点本職の巫女助勤の巫女
期間通年(神宮の舞女は高校卒業後5年間が基本)年末年始など。12月下旬〜1月中旬が多い
仕事授与・祈祷の補助・神楽・接遇授与所・案内・清掃が中心
研修奉仕の中で習う(神宮は茶道・生花なども)奉仕の前に研修会がある神社が多い
報酬神社による(公式に額の記載なし)時給1,200〜1,300円(時給を書いた3社・令和6〜8年の要項)か日給制

助勤は年末年始の正月奉仕

助勤の巫女は、初詣の参拝者が集まる年末年始に、授与所などで奉仕する短期の巫女です。

大阪天満宮は令和8年の年始に100名程度の助勤巫女を募り、勤務は1月1日から15日までです。熊本日日新聞(2025年12月7日)は、熊本市の加藤神社がその年の臨時の巫女に高校生36人・大学生25人を採用し、衣装合わせをしたと伝えています。年末年始の神社のようすは初詣の記事にまとめています。

奉仕の前に研修がある

大阪天満宮と太宰府天満宮は、助勤の巫女に奉仕の前の研修会への参加を求めています。

大阪天満宮は12月26日・27日の研修会のどちらかへの参加を必須にしています。太宰府天満宮の令和5年度の要項も、11月の面接と12月の研修会・事前説明会の日程を示しています。

助勤巫女の条件は神社ごとに違う|7社の募集要項

助勤の巫女の条件は、年齢・未婚かどうか・髪の色・報酬のどれをとっても神社ごとに違います。

7社の募集要項を原文で読み、条件を1つの表にしました。要項の年度がそれぞれ違うので、応募するときは必ずその年の要項を確かめてください。

神社(要項の年度)年齢未婚の条件髪・身だしなみ報酬
芝大神宮(東京・令和6年度)17〜25歳未婚女性茶髪・パーマ・マニキュア・ピアス・装飾品・SNS投稿は禁止時給1,200円
大神神社(奈良・令和6年度)大晦日の夜は18歳以上(未成年は夜間不可)要項に記載なし要項に記載なし要項に記載なし
宗像大社(福岡・令和7年度)要項に記載なし要項に記載なし黒髪のみ。カラーコンタクト・付けまつ毛・香水・ピアス・ネイルは厳禁時給1,200円(夜勤・8時間以上は25%増し)
沖縄県護国神社(令和8年正月)高校生・専門学生・大学生・一般の区分要項に記載なし要項に記載なし時給1,300円(前年より増額)
丹生都比売神社(和歌山・令和6年)高校生以上20代まで未婚女性染髪・ピアス・過度な化粧は不可日給制(1月1〜3日は11,000円)
太宰府天満宮(福岡・令和5年度)15歳(高校生)〜25歳未婚・未出産の女性茶髪・アクセサリー・厚化粧は遠慮・SNS投稿は禁止日給制(額は問い合わせ)
大阪天満宮(令和8年)18歳以上要項のページに記載なし要項のページに記載なし要項のページに記載なし

「要項に記載なし」は、その条件が無いという意味ではなく、要項に書かれていないという意味です。面接や問い合わせで伝えられることもあります。

年齢は15歳から20代までが多い

7社のうち年齢を書いた要項では、下は15歳(高校生)から、上は25歳か20代までが多くなっています。

太宰府天満宮は15〜25歳、芝大神宮は17〜25歳、丹生都比売神社は高校生以上20代まで、大阪天満宮と大神神社の大晦日の夜の奉仕は18歳以上です。

未婚を条件にする神社とそうでない神社

「未婚」を条件に書く神社は7社中3社で、残りの4社の要項には未婚の条件が書かれていません。

芝大神宮・丹生都比売神社は「未婚女性」、太宰府天満宮は「未婚・未出産女性」と書いています。大神神社・宗像大社・沖縄県護国神社・大阪天満宮の要項には、結婚についての記載が見当たりません。

髪の色・化粧・SNSの決まり

髪は黒髪を求め、染髪・ピアス・濃い化粧を断る神社が多く、SNSへの投稿を禁じる神社もあります。

宗像大社は「黒髪のみ」とし、芝大神宮は茶髪・パーマ・ピアス・装飾品とSNSでの投稿を禁止事項に挙げています。丹生都比売神社は高校生の化粧を不可としています。

報酬は時給1,200〜1,300円か日給制(令和6〜8年の要項)

時給を書いた3社の要項(令和6〜8年)は1,200〜1,300円で、日給制の神社は日ごとの額を決めています。

芝大神宮と宗像大社が時給1,200円、沖縄県護国神社が時給1,300円です。丹生都比売神社は1月1〜3日が日給11,000円、大晦日の23時から2時は5,500円としています。

巫女になるには?資格・年齢・結婚

この記事で読んだ7社の募集要項に資格の条件は無く、募集に応募して面接と研修を受けて奉仕する形です。

7社の募集要項の応募の条件は、年齢・性別・未婚かどうか・髪や身だしなみ・奉仕できる日数で、資格や検定は求めていません。通年の巫女は、神宮の舞女のように神社が採用を案内することがあり、各神社の公式の採用情報や社務所で確かめるのが確実です。

募集要項に資格の条件は無い。神職は別の道

7社の募集要項に資格の条件はありませんが、神社で祭りを執り行う神職を目指すなら階位という資格を取る道になります。

國學院大學の便覧のとおり、神職の階位は大学の課程や研修で得るものです。宗教年鑑 令和6年版では、神社本庁の女性の「教師」は3,770人です。

結婚すると巫女を辞める?

結婚したら必ず辞めるという全国共通の決まりは公式には見当たりませんが、未婚を条件にする神社はあります。

ブリタニカ国際大百科事典は、本来は未婚の女性を任命し、結婚とともに退職させるのが決まりだったと書いています。今の募集要項では、7社中3社が未婚を条件にしています。通年の巫女がいつまで奉仕するかは、神社ごとの決まりに従います。

「巫女は処女でないといけない」は本当?

今の募集要項に「処女」という条件は無く、書かれているのは一部の神社の「未婚」の条件です。

辞典では、デジタル大辞泉の「ふじょ」の項が「未婚の処女とされる場合が多い」、日本大百科全書が昔の神社の巫女には「いずれも処女をこれにあてた」と書いています。これは歴史の中の巫女の説明です。今の7社の募集要項に書かれているのは、年齢や「未婚」「未出産」の条件までです。

清浄であることが求められた歴史

巫女に未婚の女性が求められたのは、神に仕える人に清浄さが求められたためと辞典は説明しています。

ブリタニカ国際大百科事典は、巫女は本来、神託を伝える務めのため清浄な女性であることが条件とされたと書いています。応募する人の私生活を尋ねることは、どの要項にも書かれていません。

巫女は何人いる?公的な統計は無い

巫女の人数を数えた公的な統計は、文化庁の宗教年鑑を含めて見つかりませんでした。

文化庁の『宗教年鑑』令和6年版を全文で調べましたが、「巫女」の語は出てきません。年鑑が数えているのは各教団の「教師」で、神社本庁の教師は21,071人(男17,301人・女3,770人)です。同じ令和6年版によると、神社本庁には全国78,251社が加盟しています。助勤を含めた巫女の数は、この記事では推測で書いていません。

助勤の募集の規模からわかること

大きな神社では、正月の助勤巫女を数十人から100人ほど募る例があります。

大阪天満宮は令和8年の年始に100名程度を、熊本市の加藤神社はその年に高校生と大学生あわせて61人を採用したと伝えられています。全国でどれだけの人が助勤をしているかを示す数字ではありません。

よくある質問

Q. 男性は巫女になれる?

A. 巫女は女性の役目です。東京都神社庁によると、昔は男性のかんなぎもいて「覡(おかんなぎ)」と呼ばれました。大神神社の令和6年度の年末年始の募集は、男性を社頭での神職補助、女性を巫女の助勤として分けて募っています。

Q. 高校生でも巫女のアルバイトはできる?

A. できる神社があります。太宰府天満宮(令和5年度)は15歳(高校生)から、丹生都比売神社(令和6年)は高校生以上で、ただし大晦日の深夜は高校生不可です。沖縄県護国神社(令和8年正月)は高校生を昼の勤務に、大神神社(令和6年度)は未成年の大晦日の夜の奉仕を不可としています。

Q. 結婚している人は助勤の巫女に応募できる?

A. 神社によります。この記事で読んだ7社のうち、芝大神宮・丹生都比売神社・太宰府天満宮の3社は未婚を条件にしています。残りの4社の要項には結婚の条件が書かれていないので、応募の前にその神社へ問い合わせてください。

Q. 巫女のアルバイト中のことをSNSに投稿してもいい?

A. 投稿を禁じている神社があります。芝大神宮(令和6年度)は「SNSでの投稿」を禁止事項に挙げ、太宰府天満宮(令和5年度)も「SNSの投稿など、神社の守秘義務を怠る行為は固く禁じています」と書いています。

Q. 助勤の巫女は装束を自分で用意する?

A. 白衣や緋袴は神社が貸す例があります。芝大神宮は白衣・緋袴・草履を貸与し、白の足袋・白の半襦袢・腰紐2本を持参としています。太宰府天満宮は腰紐2本と、白衣袴を入れる風呂敷などを持参品に挙げています。

Q. 巫女さんに御朱印やお守りをお願いするときは何と言えばいい?

A. 授与所で「すみません、御朱印をお願いします」「このお守りをお願いします」と伝えれば十分です。御朱印の受け方は御朱印とは何かで、初穂料の納め方とあわせて説明しています。

まとめと参考にした資料

巫女は、神社で神職を補佐し、お守りの授与・祈祷の補助・神楽の奉納を務める女性です。

装束は白衣と緋袴で、舞のときに千早・花簪・鈴・扇を加えます。7社の募集要項に資格の条件は無く、神職には階位が要ります。助勤の巫女の条件は神社ごとに違うので、応募する年の要項を確かめてください。神社でのふるまいは神社のお参りの仕方もあわせて読んでみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次